【問題行動⑥】便意を感じることができずに排便トラブル&超こだわり行動 ~解決へ紆余曲折~



2年もの間続いた「排便トラブル」や「超こだわり行動」についての
シリーズ記事第六弾(最終回)です。

・排便トラブルが始まったのが小学部6年の夏
・便意を感じることができるようになったのが中2の夏
・1人でお便所から出てこれるようになったのが中2の3学期

いよいよ最終回です。
私にとっては「意外な展開」&「意外な落とし穴」が待っていました。





目次

1.成果が現れなかった2年間

2.さらに悪化し、ついに投薬へ

3.副作用で投薬中止

4.落とし穴

5.ついに解決


1.成果が現れなかった2年間

結果的には支援の見直しを講じても2年間、排便トラブルは収まりませんでした。
私の想像ですが・・・

・卒業式があったり
・中学部への環境の変化に戸惑ったり
・今までになかった作業学習があったり
・文化祭、体育祭(名称は違いますが、中身は同じ)の練習にストレスをため

といったイベントの練習に対して、
思春期での「感覚過敏「や「心が不安定になっている」ことなどから
本人に余裕ができる間がなかった感じがします。


感覚過敏で脳には余裕が全くなく、
便意を感じとることすらできず、気づけばウンチが出た後・・・ということを繰り返していたように思います。


2.さらに悪化し、ついに投薬へ


2-1 キッチンへのこだわり


支援の見直しをしても
成果が現れないだけでなく、新らたなこだわりが出てきてしまいました。
キッチンでの出来事が異様に気になるようになったのです。


・食材を早く切れ!

・食材を切ったら、ささっと鍋orフライパンにいれろ!

・出来上がると即座にお皿に移せ!

・移し終わったら、鍋orフライパンをすぐ洗え!

・洗い終わったら、拭け!

・拭き終わったら、棚に片づけろ!


これらのこだわりを強迫的に「やらねばならない!」こととして要求してくるようになりました。
まるで、言う通りに対応しないと 『天と地がひっくり返ってしまうから急げ~!』 というくらいに。
本当に強迫観念にとらわれているかのようでした。


2-2 他害の激化

私たち親への攻撃から先生、クラスメート、
そしてついにすれ違いざまに見ず知らずの人にまで攻撃をするようになりました。

「あかん!」 「ダメ!」 「もうっ!」 というネガティブな経験につながっているであろう言葉には過敏に反応して、自分に向けられた言葉でなくても怒り出すようになりました。


2-3 投薬


とにかく「この荒れた精神状態」からいったん脱却したほうが良いと思い、初めて投薬に踏み切りました。
リスパダールを処方していただき、少量から少しずつ増していき、ほどなく効果が現れました。

急転直下とはまさにこのこと。
今までの2年間は何だったの?というくらい
あっけなく便意に気付くことができるようになりました。

全然失敗しなくなったんです。
この2年間の約700回のウンチの失敗が嘘だったかのように。

ものすごく嬉しかったのですが・・・
支援をあれこれ必死で取り組んできたものとしては、
その支援ではついに息子のストレスを減らすことができず、環境を整えてきていたつもりでしたが不十分だったんだなぁと反省です。




3.副作用で投薬中止


3-1 副作用


リスパダールには体重が増えるよという副作用があると聞いていましたがすごい食欲になりました。
大量の食事を用意するのですが、足りないのか口がさみしいのか、おやつを勝手に出して食べるようになりました。

「どうしても我慢できない」というのが傍で見ている正直な私の感想で、
学校では、給食の時間まで我慢できずに空腹でイライラするようになり、
我慢しろといってできるレベルではないとの判断から、特別に早弁させてもらうことになりました。

給食はあるけれどお弁当も持って行く。
11時頃には1人別室で、お弁当を食べていました。

そんな調子で食べるから体重が2か月で5kgも増えました。


3-2 投薬中止


ウンチは失敗しなくなったけど、
この大食いが原因で内蔵の病気になるのではないかとの心配から投薬は2か月でやめました。

幸い、薬をやめてもウンチは漏らしませんでした。これまた嘘のように大食いも鳴りを潜めました。
(睡眠障害も収まっていたので、すごい効き目があるのだと思います)

ウンチ大丈夫!大食いも収まった!というと万事上手くいったかのようですが
落とし穴がありました。


4.落とし穴


4-1 指示待ち


2年間もの間、毎日毎日、必ず大便の処理を親がしていたので
「大便の処理=親」という構図が出来上がっていて
何の疑いもなく、私達に処理を求めてきました。

私達も、お薬を中断したばかりだし失敗していなかのチェックも兼ねて
(なにぶん、2年間もやってきたことなので)しばらくは、対応していました。

でも、いつまでも「親が大便処理」をするわけにはいかないので対策を講じていきました。


4-2 対策 ~その1~


環境を整えてみました。

ウンチを1人でできるようになった頃(小1)を思い出して
透明のレターケース(100均で売っているもの)をトイレの壁に吊り下げ
そこへ、1回分ずつの紙を用意して臨みました。

が・・・

トイレに入るなり、その用意しておいた紙を
ポイ ポイ ポイ と便器の中に投げ入れ流しておしまい チャンチャン♪。
(何度やっても同じ)

とほほ・・・


4-3 対策 ~その2~


ABAの手法

次は「自分で拭く」を促す。
本人の手に紙を持たせて、フルプロンプトで自分で拭かせます。
そして徐々に、プロンプト量を減らしていきました。
自分でできたら 超~スペシャル褒める を徹底的に繰り返す。

これ、少々効果があり、
数回自分で拭くというところまで戻ってきました。

が・・・

やはり、最後は親の介入を求めてきます。
行かないと激怒するので、ついつい対応していました。




4-4 相談


トイレを1人で完結して出てきてほしい!
ということを学校の先生方(息子にかかわっている先生全員)と面談して
相談できるチャンスに恵まれ、アドバイスをいただいてきました。

先生方からのアドバイスは・・・
『親が介入しない』を徹底するというものでした。

3回拭いたら、もうトイレから出てきてもらいましょう。
どれだけ怒ろうが、何をどうしようが、出てきてもらう。怒っても、知らない顔をしておくようにしましょう と。

そして、出てきてもらうプロンプトを減らしていくことで完全自立を目指す
というものでした。



5.ついに解決


上記アドバイスを受けて思い出しました。
過去に色々問題を乗り越えたときのことですが・・・

最初は大きく抵抗して怒りを爆発させてくるけれど
こちらの本気度が伝わると、案外引き下がってくれることが多かったなぁと
実際、アドバイス通りに対応してみると最初の3日間くらいの抵抗は大きく、かなり怒りを爆発させていましたが
こちらが、頑として対応を変えないと、諦めてきたようでした。

それから数日は、怒りを爆発はさせないものの珍妙な行動を取っていました。
出たり、入ったり・・・や、扉を開けたまま外に出て5分ほど後に閉めに戻ってくる(親が閉めると怒る)、
などなど、自分の中のモヤモヤした気持ちと戦っているようでした。

最終的には1週間ほどで、完全自立できました。
すぐに、アドバイスをくださった学校の先生方にご報告とお礼に行き、みんなで喜びを分かち合いました。

最後に・・・

2年半もの間、本当に毎日頑張った妻に
「よく頑張ったね」とねぎらって・・・あげたかな ???

うぅっ!奥様ごめんなさい。
この記事を読んだら、許してくださいませ。





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